モラルハラスメント
モラルハラスメントとは、「言葉や態度、身ぶりや文書などによって、相手の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせること」を指します。フランスの精神科医であるマリー=フランス・イリゴイエンヌ(Marie-France Hirigoyen)が提唱した概念で、ドメスティックバイオレンス(DV)や児童虐待、ハラスメントやいじめ等でみられやすい継続した一連の行為です。
モラルハラスメントに性別や立場は関係なく、家庭や職場、学校等で誰もが受ける可能性があります。精神的な暴力を行いながら、その暴力が公にならないようにされるため、周囲も被害者も何が起きているのかわかりにくい、被害者は自分のせいだと感じやすい点が特徴です。そして、モラルハラスメントの相手から離れた後もトラウマとして残り、長期にわたって心身と生活に支障が出る場合があります。
トラウマ
トラウマとは「心的外傷」のことです。体験した出来事が苦痛を感じる記憶として残り、持続して否定的な影響を与えます。
トラウマには戦争、災害、事件、事故、身体的・性的暴行等の「ショックトラウマ」、ドメスティック・バイオレンス(DV)、児童虐待、マルトリートメント、いじめ、ハラスメント等の発達過程や人間関係上で頻繁に経験される「複雑性トラウマ」「発達性トラウマ」、慢性ストレスや医療処置、貧困、差別、孤立等のその他のトラウマがあります。
・過去の辛い体験が頭から離れない
・フラッシュバックする
・眠れない、睡眠の途中で目が覚める
・苛々したり、ぼーっとする
・気持ちが落ち着かない
・自分を否定してしまう
・人といると不安になる
モラルハラスメント被害、ドメスティック・バイオレンス(DV)被害、パワーハラスメント被害、セクシャルハラスメント被害、児童虐待、マルトリートメント、いじめ、逆境的小児期体験(Adverse Childhood Experiences:ACE)、心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)、複雑性PTSD(Complex post-traumatic stress disorder:C-PTSD)、急性ストレス障害(Acute Stress Disorder)、適応障害(Adjustment Disorder) 等
関係者への提供
如月心理相談室はカウンセリングだけでなく、関係機関や支援者等の方々からの講演依頼、コンサルテーションも受け付けております(※EMDRのコンサルテーションは対象ではありません)。